通年手に入る、手頃な価格、彩りになるなど使い勝手が良い「ほうれん草」。
しかし、購入したほうれん草に白い粉のようなものがついていることがありますよね。「これ、まさか農薬?」と気になったことはありませんか?
白い粉は農薬ではありません!
正体は、「シュウ酸」「リンゴ酸」「クエン酸」などを含む水溶液が膜で閉じ込められたもの(※1)。ほうれん草から分泌される成分で、生理現象の1つです。
ほうれん草は冬になり、夜の気温が下がると、寒さから身を守るために、この白い粉“白色顆粒”を出します。 普通は生育する間に雨や風に当たって落ちてしまいますが、ハウス栽培などは、風雨の影響を受けないで育つので、そのまま残ることがあります。
そのまま食べていいの?
白色顆粒の成分である3つの酸のうち、シュウ酸が約6割を占めています(※1)。
そのまま食べても体に害があるほどではありませんが、シュウ酸はアクの成分なので、調理前によく水で洗い流した方が良いでしょう。
ただし、水で白色顆粒を落としてもほうれん草自体にシュウ酸は含まれています。アク抜きする為には、まずはさっと茹でてから使うのがおすすめ!
ただし、無農薬に関してはうどんこ病の可能性もあるので注意!
白い粉といっても白色顆粒だけに限りません。
例えば、家庭菜園で育てたほうれん草の葉にカビのような白い粉がついている……。そんな時はもしかしたら、うどんこ病の可能性があります。
うどんこ病はカビによる伝染性の病気です。ちなみに、被害部位は主にホウレンソウの葉の部分で、葉が小麦粉をまぶしたように白くなり、カビが生えるのが特徴です。病気の原因は、風通しが悪かったり、過湿になったりすると発生することがあります。
まとめ
ほうれん草の白い粉は「農薬ではない!」の説明でした。白色顆粒は農薬ではないので、安心してお召し上がりいただけます。
よく使われる使い勝手のいいほうれん草だからこそ、正しく見極め、安全・安心に調理していきましょう!
※1…農研機構『ホウレンソウ葉表面に観察される白色顆粒』