ここ10年で資金調達の方法として定着したクラウドファンディング。資金を調達する手段としては比較的手軽で、また拡散性にも優れているため、PRを目的として利用する方も増えています。
利用者は、飲食店から地方自治体まで多岐にわたり、プロジェクト数も膨大。そのため、成功率は決して高いとは言えないのが現状です。
そこで、今回は、クラウドファンディングの成功率を上げるポイントをご紹介します。
そもそもクラウドファンディングとは
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて資金を集める方法です。サイト上で夢やアイデアを公開し、賛同を求め、出資を募ります。
しかし、賛同を得られても、必ずしも出資につながるとは限りません。そのため、出資してくれた方へのお礼としてリターンを用意します。リターンとは、出資額に応じてもらえる返礼品や特典のことです※。
出資者は、プロジェクトに賛同し、かつリターンに魅力を感じて初めて出資を検討します。
※リターンにも種類があります。大きく分けて以下の3つ。
・寄付型:返礼品はなく、感謝の気持ちを込めた手紙や活動報告が送られてきます。
・金融型:将来の利益や収益を期待して、投資を行います。
・購入型:商品やサービスをお得に購入することができます。
飲食店のクラウドファンディングは「魅力的なリターン」が欠かせない!
飲食店がクラウドファンディングを利用するのは、新規開店やリニューアル、移転、イベント出店などです。その場合のリターンはほとんどが購入型です。
では、どのようなリターンがあるのでしょうか。例を紹介します。
・通常メニューの割引券やプレゼント券
・クラウドファンディング限定メニューの提供
・お店の非売品オリジナルグッズ(Tシャツ・マグカップ・エプロンなど)の提供
・イベント参加権:イベントは試食会、シェフやスタッフとの交流会、料理教室など。お店の裏側を知ることができたり、料理のレシピを聞けたりとメリットがあります。
ページ作成のコツ
前述したように、リターンを用意すると同時にプロジェクトへの賛同を得なければ、出資は集まりません。そのために重要なのは、プロジェクトを魅力的に伝えること。
プロジェクトを説明するページの作成には、いくつかコツがあるのでご紹介します。
プロジェクトの魅力をたくさんの写真を使って伝える
プロジェクトの実現によって、どのような変化がもたらされるのか、具体的にイメージできるように写真をたくさん載せることで、共感を得られます。
プロジェクトオーナーの顔写真を掲載し、想いや熱意を伝える
誰でも顔の見えない相手への出資は不安です。顔写真を載せることで信頼性は高まります。
また、顔を見せた上で、プロジェクトへの熱い想いを具体的に伝えれば、出資者からの共感や応援を得やすくなります。
プロジェクトの公開後は、進捗状況などを定期的に更新しましょう。サイトには活動報告ページがあるので、支援者への感謝の気持ちなどを更新することで、プロジェクトの認知度を高め、出資者とのコミュニケーションを深めることができます。また、ブログやSNSなどを使って情報発信をすることも大切です。
成功事例
では、実際の成功事例を見てみましょう。
都内高級住宅地にお店を構える、焼鳥店が新店舗オープンに合わせてクラウドファンディングを利用したケースです。
このプロジェクトは、公開後30分で目標金額500,000円を達成。最終的には311人から、6,662,800円の支援が集まり大成功を収めています。
そのときのリターンとプロジェクトページが以下のようなもの。
【リターン】お食事券と会員券(席料サービスなど)をセットにした15,000円~79,200円までの14種類を用意。
【ページ構成】高級感溢れる店内やスタッフの働く様子、シズル感のある料理写真と実際に味わえるコース写真をふんだんに掲載することでプロジェクトの魅力をわかりやすく伝えています。また、プロジェクトオーナーの目指していることや、お店への熱い想いもしっかりと語られています。
クラウドファンディングは、上手く活用すれば資金調達だけでなく、集客にも効果を発揮します。
1つ注意点。リターンのタイプ(寄付型、金融型、購入型)によっては特定商取引法などの各種法令が適用されるので、必ず自身で法律や各種ルールなどを調べてから導入を開始しましょう。
クラウドファンディングの活用を検討する機会があれば、ぜひ本記事を参考にしてください。