おなじみ養殖エビ界の2大スター、バナメイエビとブラックタイガー。和洋中、業態問わずさまざまなメニューでホントによく使われていますよね。でもこの両者、外見のほかにいったい何が違うのでしょうか? それぞれの個性を知って使い分けができれば、貴店のエビ料理もさらに進化するかもしれないですよ!
生まれが違う!
バナメイエビとブラックタイガーは、同じクルマエビ科。ブラックタイガーは名の通り、灰色の身体に黒い縞模様が特徴で、インド洋・西太平洋の熱帯・亜熱帯域に広く分布しています。成育すると体長30センチを超えるクルマエビ科の最大種で、「ウシエビ」という和名を持ちますが、国産は非常に数が少なく、ほとんど流通していません。
いっぽうバナメイエビは灰白色にやや赤みが差した身体で、成長後は20センチ超とブラックタイガーよりひとまわり小さいサイズ。身体のわりに尾が長めなスタイルの良いエビです。原産はメキシコ湾からペルー沿岸の太平洋東岸一帯で、水温20℃以上の温暖な環境を好みます。
育ちが違う!
飲食店でバナメイエビとブラックタイガーが人気なのは、この2種が非常に養殖向きで、低価格かつ高品質の食材として入手できるから。養殖法はブラックタイガーのほうが早く確立されましたが、近年はバナメイエビの養殖のほうが増えています(※)。
バナメイエビはブラックタイガーより伝染病に強く、成体になるスピードも3~4ヶ月(ブラックタイガーの一般的な成育期間は約6ヶ月)と早いため、より養殖しやすいのです。さらに、海底で生息するブラックタイガーに対して、バナメイエビは海中を泳いで生活するので、面積あたりの生産量がブラックタイガーの3~10倍多く、効率の差は歴然。
かつては養殖エビといえばブラックタイガーでしたが、2000年代に入ると生産高でバナメイエビがブラックタイガーを追い抜いています(※)。
※データ参照…
国連食糧農業機関(FAO),「FAO – Penaeus vannamei」,Food and Agriculture Organization,https://www.fao.org/fishery/docs/CDrom/aquaculture/I1129m/file/en/en_whitelegshrimp.htm (参照 2024-06-06)
国連食糧農業機関(FAO),「FAO – Penaeus monodon Fabricius」,Food and Agriculture Organization,https://www.fao.org/fishery/docs/CDrom/aquaculture/I1129m/file/en/en_gianttigerprawn.htm (参照 2024-06-06)
味が違う!
ブラックタイガーの特徴は、なんといってもその肉厚な食感。弾力あるぷりっぷりの歯応えと、濃厚な風味が楽しめるエビフライや天ぷらなどがおすすめです。身が大ぶりなので、メニューのメインを飾る存在感も備えています。
バナメイエビを揚げても十分においしいですが、こちらの個性は柔らかい口あたりに、ほのかな甘み。エビチリなどの炒め物やパスタなど、ソースと絡ませるような使い方は、よりバナメイエビのほうが向いていると言えるでしょう。
最後に!
ブラックタイガーとバナメイエビ、両者の特徴を掘り下げてみると、生物としての違いや養殖の興亡など、そのトピックはここに書ききれないぐらいたくさんあります。
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