昨年も記事にてご紹介したプレコフーズの“海底熟成ワイン”。
海の環境を利用して熟成させるこのワイン、昨年の生産は瞬く間に完売!と、大好評でした。大きな反響を受けて、2024年も販売が決定。今年はプレコフーズのオリジナル商品として新たに銘柄を選定し、2024年2月に宮城県女川沖の海底に480本のワインを沈めました。
そして約8ヵ月後、熟成を深めて引き揚げられたワインは一体どんな味がするのでしょう…。今回は海底熟成ワインの引き揚げ密着レポートをお送りします! まずは下の動画をご覧ください。
海流がもたらす熟成環境
2024年10月3日宮城県女川町、台風は通り過ぎたものの天気はあいにくの雨模様。無事に出港の許可も出て、作業船はワインを沈めたポイントに向かいます。ダイバーを含む10名ものスタッフが船に乗り組み、作業は想像以上に大がかりなものとなりました。そもそも、なぜ女川沖にワインを沈めたのでしょう? その理由を弊社のワインバイヤーに尋ねてみました。
「宮城県沖の海域は親潮と黒潮が丁度ぶつかる海域なんです。だから栄養に富み、プランクトンが豊富な水質です。そのため海の透明度が低く、紫外線を通しにくいんです。それはワインの熟成に適した条件なんですよ」
確かに船上から見える海の色は“青色”というより、透明度の低い“灰色”に近い色。女川の海ならではの条件が、美味しいワインを創り上げる理由につながっているのです。
緊張感あふれる引き揚げ作業
ポイントに到着後、いよいよ引き揚げの始まりです。
ワインが沈められているのは水深20mの海底。この深さは年間を通して水温が15~18℃で安定し、地上の3倍の水圧がかかります。海上の影響を受けずにボトルに適度な波の振動が加わる深さが、より上質な熟成を生み出します。
ダイバー2名が海に潜り、ワインが入った巨大なケージにワイヤーをしっかり固定。水圧の急激な変化でワインのボトルが破裂しないよう、引き揚げは時間をかけて慎重に行われます。透明度が低く視界の悪い海中では、船上とのちょっとした伝達ミスが命を危険にさらす可能性もあります。聞こえてくるダイバーと船上との無線の会話も、真剣そのもの。自然と船上には緊張感に満ちた空気が流れます。
“水深20m”にこだわる理由
約20分ほどの作業を経て、最初のケージが海上に姿を現します。待ちに待った、ワインとの再会の時です! 1箱120本入りが4箱分、合計480本のワインが並ぶ船上の光景はかなりの迫力。船もぐっと沈み込み、その重量を実感します。
海底熟成ワインは、ボトルにカッコよく貝やサンゴが付着するのも特長。今回の付着物の具合はどうでしょう。港に戻り、慎重に荷下ろしをしてワインボトルの様子を確認すると…。
付いています!見事に貝やサンゴ、フジツボなどがボトルに付着しています。同じものがひとつもない、海がデザインしたボトルたち。目の当たりにすると思わず感嘆の声が出てしまいます。
ここからは手作業。ボトルについた貝やサンゴの様子を確認しながら刷毛で丁寧に汚れを落とします。このボトルへの付着物、ワインを沈める深さによって違いが出るそうです。その中でなぜ20mの水深にこだわるのか? その理由をワインバイヤーはこう語ります。
「実は、もっと浅い水深に沈めると貝やサンゴもより多く付着するので、見栄えは良くなるんです。けれども浅い水深だと、紫外線が届いてしまったり、水温が安定しなかったりと熟成に影響が出やすいんです。ただ、プレコフーズは本気でワイン熟成を追求して、その美味しさと素晴らしさを届けたいと考えています。引揚げ作業は大変になりますが、それよりも熟成の質が大切です。だから我が社では水深20mの深さにワインを沈めています」
海の神秘
さらに今回のワインはあらかじめ熟成後の味わいを想定し、昨年と異なる銘柄を選んでいます。雨に打たれながら、ワインバイヤーが力強く語ってくれました。
「昨年も手掛けた経験も踏まえて、今回はタンニンがより豊富な銘柄を選びました。タンニンはポリフェノールの一種で、ワインの熟成において重要な成分のひとつと言われています。今回のワインも角がとれたまろやかな味わいで、香りも華やかに仕上がりました。非常に複雑な奥深さを感じます。これは、“海の神秘”ですね」
熟成ワインには様々な種類・方法が存在しますが、プレコフーズが追求するのは海がもたらすクオリティ。口に含めば、“海の神秘”というワードが大げさでないこともわかるはずです。
唯一無二のボトルにきらめくフジツボやサンゴは小宇宙のよう。ヴィンテージ感たっぷりのボトルとあわせて、この神秘的な味わいをご提供してみてはいかがでしょう!
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