飲食店の経営において重要視される「QSC」。Quality(品質)、Service(サービス)、Cleanliness(清潔さ)の頭文字をとった言葉で、どれ一つとして欠けてはならないものです。
このうち、クレンリネスの本来の意味は「清潔な状態を維持する」ということ。飲食店においては、店舗が衛生的で清潔である状態を保ち、お客様の健康を守る大切な作業です。そして一方で、従業員のモチベーション維持にも大きく関わるものでもあります。
今回はクレンリネスの中でも、重要なのに清掃が苛酷でつい後回しにしがちな「グリストラップ清掃」についてお話します。
「グリスト清掃」は3Kの代表格
グリストラップこと「グリスト」は、厨房の排水に含まれるごみや油脂がそのまま下水に流れるのを防ぐ装置のことで、ここを清掃せずに放置していると廃油やヘドロで配管が詰まってしまい、とにかく悪臭を放つようになります。さらには、ゴキブリやコバエの繁殖の原因にも。
お客様の視界には入らないものの、飲食店のクレンリネスにおいて、清掃しなければならない重要な場所です。
その清掃は3K(キツイ、汚い、危険)とも呼ばれ、スタッフに嫌がられる業務の代表格。
グリストは、1層目で生ごみなどの異物を溜め、2層目で排水に含まれている油脂分を分離させて油を浮かせ、3層目で異物を取り除いた排水を下水に流すという3層構造でできています。
このうち、特に2層目には、悪臭トラブルの原因となる「油や汚泥」がたまるため、しっかりと除去しなければなりません。
臭いや手間、面倒くささから、グリストの掃除が嫌で辞めてしまうアルバイトもいるくらいなのです。
定期的なプロによる清掃が大切
そのため、グリストの本格的な清掃は、定期的にプロの業者に依頼するのがおすすめです。
専門業者に委託することでスタッフの心理的負担を軽減し、本来頑張って欲しい業務である、接客や調理に専念してもらい、より働きやすい環境を用意することで、スタッフの定着率の向上にもつながります。
また、グリスト清掃はしっかり行なうと1時間以上の時間を要する作業。
専門業者に任せることで、人手不足の解消にも繋がるので、お困りの際は是非ご検討ください。
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清掃業務を楽にする方法
定期的に業者に頼んだとしても、グリストの汚れは毎日溜まっていくもの。ここでは、日常的に行う作業の負担を軽くする方法をご紹介します。
ゴミの処理にネットを使う
第一層は洗剤も流れてくる場所なので比較的汚れていませんが、毎日ゴミを捨てることで根詰まりを防ぎ、悪臭の発生も抑えることができます。作業を楽にする方法としては、バスケットにネットをかぶせるといった工夫があります。そのままゴミとして捨てられるので、負担が軽減できます。
油の除去に油吸着シートを使う
第二層に浮いている油は吸着シートを使うと簡単に除去できます。底にたまっている汚泥は除去できるわけではありませんが、掬い取るよりはよほど楽。ただし、産業廃棄物として処理しなければならないので廃棄の際はご注意ください。
グリスト全体の洗浄に専用の洗浄剤を使う
『GPSEC』など、油脂を分解する薬剤を使用すると〇。スタッフが一層目から三層目まですべてを清掃することを考えると大幅な軽減が見込めます。
飲食店であれば避けることのできない「グリスト清掃」。
プロの手を借りることも検討しつつ、最悪の事態になる前に、今回ご紹介した清掃業務を楽にする方法を実践して対策を行いましょう。