飲食店が営業時間外に行わなければいけない作業の1つ、清掃。
掃除にかかる時間を短くできれば、スタッフの負担も減り、人件費の削減にも繋がります。
今回は、時短に繋がる「洗剤」の使い方をご紹介します。
洗剤は大きく分けて3種類
まずは洗剤の基本。洗剤には様々な種類がありますが、大きく分けると「中性洗剤」「酸性洗剤」「アルカリ性洗剤」の3種類です。それぞれ得手不得手があるので、汚れに対して適した洗剤を選ぶのが時短への第一歩です。
中性洗剤 | 手肌に優しく、素材に対する影響も少ないため、主に食器や調理器具の洗浄、調理台やテーブルの清掃、床や壁の軽い汚れの清掃に使用します。 |
酸性洗剤 | 水垢、尿石、サビなどのミネラル汚れに強いため、トイレやシンクの清掃、食器洗浄機内の清掃に使用します。 |
アルカリ性洗剤 | 油脂汚れや頑固な汚れに強いため、揚げ物の後のフライヤーやグリルの清掃、厨房のレンジフードや換気扇の油汚れの除去、床の頑固な油汚れの清掃に使用します。 |
時短に繋がる使い方
希釈したものを用意しておく
中性洗剤や酸性洗剤やアルカリ性洗剤の中には水と割って希釈して使用するものがあります。
この時、洗剤の希釈度が低いとすすぎに時間がかかり、高すぎると洗浄効果が弱くなってしまいます。また、汚れに対して適した希釈度にしておかないと、洗剤の無駄遣いにも繋がります。
そうならないために事前に計量器を使い、適切な量を別のボトルなどに作っておきましょう。時短にもなり、希釈度を間違えることもありません。
油汚れを洗い流す際はお湯を使用する
食器、レンジフード、コンロ、調理器具など油汚れが多くついているものを洗う時は、洗った後に水ではなくお湯で流せば、お湯が脂肪や油を溶かすので、汚れが落ちやすくなります。
プレトリートメントを行う
頑固な汚れがある場合は、事前に洗剤を直接かけてしばらく放置することで、汚れが緩み、落ちやすくなります。放置している間に別の場所を清掃すれば、より時間を有効活用できます。
プロが教える時短に繋がる洗剤の使い方
ここまで、一般の方でも活用しやすい洗剤の使い方をご紹介してきました。それでは、清掃のプロはどのような洗剤の使い方をしているのでしょうか。プレコグループの衛生部門プレコサニオの店舗清掃担当に聞きました。
「汚れの種類に応じて適した洗剤を使うという基本は同じです。
ただ、飲食店にはレンジフードなどに蓄積した油汚れや、鉄板などに焼き付いたカーボン汚れといった特有の汚れがあります。
洗剤には、一般的な小売店で買える市販品とプロが使う業務用がありますが、こうした飲食店ならではの汚れを市販の洗剤で落とそうとすると、どうしても時間がかかってしまいます。
業務用洗剤の中には、市販品にはない濃度の高い商品があり、その中でも汚れの種類によって適した洗剤があるので、清掃の現場では使い分けをしています。
例えば、レンジフードなどで油汚れが蓄積している時は、油汚れに特化した強力な洗剤(※1)を使うのですが、カーボン汚れを落とす時は、さらに濃度の高い超強力な洗剤(※2)を使用しています。
こうした業務用洗剤をお店に置いておくことで時短できる作業もあるでしょう」
(※1)『ハイスピードM』メーカー:イーグルスター
(※2)『ハイスピードC』メーカー:イーグルスター
プレコサニオの担当者が例に挙げた商品は、プレコグループ(※食肉・冷食加工品部門)でも取り扱っている商品なので、飲食店の方でも手に入れることが出来ます。
ただし、その濃度の高さゆえ、使用する際は保護メガネを着用したり手袋を使用したりといった細心の注意が必要です。
どうしても落ちない汚れがある、でも業務用洗剤は取り扱いが不安という方は清掃のプロに依頼することもご検討ください。