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コスト・手間削減

飲食店のメニューを見直してキッチンオペレーションを効率化する方法

飲食店のキッチンオペレーションを効率化するにはメニューの見直しを検討しましょう。メニューの見直しは提供スピードの改善や売上アップにつながる可能性があります。とはいえ、具体的な見直しのポイントを知らない方もいるのではないでしょうか。

本記事では、飲食店のメニューを見直してキッチンオペレーションを効率化する方法を解説します。最後までご覧いただくことで、再現性のある方法を認知できますので、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人
橋本 淳 44歳

飲食企業の現役総料理長。副業でWebライターとして活動中。現在6年目。
料理人歴 25年目
日本料理:7年
イタリア料理:3年
居酒屋/やきとり/などの大衆料理:15年

キッチンオペレーションを効率化する4つの方法

キッチンオペレーションを効率化する方法には、以下の4つが挙げられます。

    1. 売上データにもとづいた仕込み量の調整
    2. キッチン導線の見直し
    3. 従業員の役割の見直し
    4. メニューの見直し

まず、売上データにもとづくことで、仕込み量の調整がしやすくなります。その際、参考にする売上データは前年同月の数字を参考にしましょう。多くの飲食店の予算決めは、前年対比で売上が上回ることを目標にするお店が多いためです。

キッチン導線の見直しも、オペレーションの効率化に効果的です。たとえば、牛モモ肉ステーキに添えていたサラダをストーブ担当が行うことで、前菜担当者へわたす工程が削減され、提供スピードが向上するなどが挙げられます。

また、従業員の役割を見直すことも効率化につながります。たとえば、各セクションにリーダーを配置することで料理長に裁量権が集中せず、業務遂行のスピードが速くなるなどです。

そして、メニューの見直しも考えます。メニューの見直しは仕入れコストや売上に直結する重要なポイントとなりますが、オペレーションの改善にもつながるため、押さえておきたい方法の一つです。

効率化のためのメニュー見直しのポイント

キッチンオペレーションを効率化するためのメニュー見直しのポイントとしては、以下の3つが挙げられます。

    1. 既存メニューの盛付け工程の見直し
    2. 盛付け工程のマニュアル化
    3. 既製品をうまく取り入れたメニュー開発

まずは既存メニューのオペレーションの工程をより効率化することを考えましょう。オペレーションが改善されれば商品入れ替えの手間がかかりません。そのためには、仕上げの盛付け工程をマニュアル化するのが効果的です。

また、既製品をうまく取り入れることもキッチン業務を効率化する方法のひとつです。既製品とは、カット野菜や各種ソース、レトルト食品など、調理の手間を省くために工場であらかじめ加工・製造された食材を指します。既製品をうまく取り入れると、メニューを最初から手作りする必要がなく、品質の良い料理を短時間で提供できるようになります。メニュー見直しの際には、既製品を活用できるものがあれば検討すると良いでしょう。

既存メニューの工程削減ができない場合は、効率的に調理できるメニュー開発も視野に入れましょう。たとえば、キノコのマリネのような事前に仕込んだものを器に盛り付けておけるメニューを開発すれば、注文がきたらすぐにご提供できるなどのメリットがあります。

メニューの見直しでキッチン業務を効率化した成功事例を紹介

ここでは、実際にメニューの見直しでキッチン業務を効率化した事例を紹介します。ぜひ参考にしてください。

キッチン経験の浅いアルバイトスタッフでもできるキッチンオペレーション

メニューを見直したことによってキッチン業務の効率化に成功した居酒屋業態をご紹介します。

店舗の特徴は以下の通りです。

    • 業態:居酒屋
    • 店舗規模:20坪/40席
    • スタッフ数:ディナー営業 7名
    • 社員比率30%

【メニュー見直しのポイント】

    1. 真空パックと湯煎の活用
    2. 既製品の活用
    3. 前菜料理は事前に盛り付けできる商品に変更
    4. 営業中に包丁を使わないオペレーションに変更

店舗の特徴はアルバイトスタッフの比率が多いこと。特に学生が多く、調理経験の浅いスタッフが多い中、営業をする必要がありました。そこで、アルバイトスタッフでも品質を担保できるメニューの見直しに着手しました。

お店のメニュー構成は前菜・温菜・揚げもの・珍味・お食事・デザートです。このうち、前菜・温菜・珍味のメニューを見直しました。揚げ物・食事・デザートは既存のままです。

前菜は、事前に器に盛り付けられる料理に特化しました。具体的には、梅水晶やいぶりがっこのクリームチーズ和えのような、盛り付けておいても品質に問題がない商品を中心に配置しています。また、鶏むね肉を低温調理して冷やし「鳥刺し」として提供。営業前にむね肉を薄くスライスしておくなど、営業中に包丁を使わずに提供できるようにしました。

温菜では、仕込みの段階で1皿分ずつ真空パックで保存し、注文が入った時点で湯煎や蒸し器で温め、器に盛りつけるだけのシンプルな商品に変更しています。具体的にはもつ煮込みやだし巻き玉子などです。

珍味には、あん肝の味噌漬けや豆腐ようなどの既製品を仕入れ、盛り付けるだけで提供できる商品を集めています。

メニューの見直しによるキッチン業務の改善で、アルバイトスタッフでも営業できるオペレーションになった事例です。人手不足が課題である飲食店において、キッチン経験の浅いアルバイトスタッフが多い飲食店に効果的な施策と言えます。

まとめ

本記事ではメニューの見直しによる、キッチンオペレーションを効率化する方法について解説しました。

メニューの見直しは顧客が飽きないための対策であるほか、キッチン業務の効率化にもつながります。
キッチン業務の効率化は、売上に直結すると同時に、メニュー提供の遅れやサービスの低下を防ぐための手段でもあります。
とはいえ、すべてのメニューを刷新するには労力とコストがかかるため、メニューとオペレーションのボトルネックを見つけることが重要です。

本記事を参考に、効率化するためのメニューの見直しを検討してみてください。既存メニューの見直しや既製品の導入など、さまざまな方法を実行して長期的に安定した店舗運営をしていきましょう。

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