長期化するコロナ禍で厳しい状況が続く飲食店。そんな中、2021年6月1日より、もう一つ飲食店に変化を迫る制度が義務化されました。「HACCPに基づいた衛生管理」です。もちろん、すでに対応済みの方もいらっしゃると思いますので、ここでは、未対応の方に向けて簡単に解説していきます。
難しく考える必要はない
HACCPは、国際的に認知されている食品衛生管理の手法です。
ただし実際には、これまでと全く異なる衛生管理を求められるわけではありません。
現在取り組んでいる衛生管理を「衛生管理計画」として書面などで明確にし、その管理工程を「記録」、定期的に「見直す」ことが必要となります。
保健所などに求められた時に提示すればよいだけで、特にどこかへ申請するというようなことはありません。
「衛生管理計画」を作り「記録表」に書いていく
基本的なやるべきことは以下の3点です。
- 衛生管理計画の策定
- 計画に基づく実施
- 確認・記録
と言っても、「何をどう書けばいいのか分からない」という方もたくさんいらっしゃるかと思います。簡単と思われるのは
「記録表」はエクセルファイルもあるので、PCがある環境なら印刷せずともPC上で記録していくことが可能です。
①東京都福祉保健局のHPから無料でダウンロードできる、食品衛生管理ファイル「衛生計画ファイル」と「記録表」に記入していくこと。
または
② 公益社団法人日本食品衛生協会のHPから購入できる『HACCPの考え方を取り入れた衛生管理計画・記録簿 『はじめようHACCP』対応 (一般飲食店)』(税込255円)という冊子に記入していくのも比較的簡単かと思われます。
導入しない店舗に罰則は?
一般的に、対応していない飲食店には、まず改善のための指導が行われます。
従わない場合には、営業の禁停止などの行政処分が行われることもあります。
ちなみに、いつチェックが入るのかは自治体によって変わるので、必要に応じて管轄の保健所に確認してください。
HACCPに基づいた衛生管理は、飲食店の義務であり運営する上での前提となりました。
多少手間は増えますが、記録を残していない場合、例えば、万が一食中毒が起きてしまった時、貴店が原因でなくても追及される可能性があることも否めません。
食中毒を起こさないよう努めるのは当然のことですが、記録を残しておくことがご自身のお店を守ることにも繋がります。未対応の方は迅速に対応することをおすすめします。