高い技術を持っているのにも関わらず、他人とコミュニケーションを取るのが苦手で、後進にその技術を教えることができない……。そんなお悩みを持つ方はいらっしゃいませんか。
今回は、口下手でも上手く後進に技術を伝授する方法をご紹介します。
専門用語の使用は説明後に
言葉で技術を解説する時は、本来、専門用語の使用は避けたいところ。ではありますが、実際の現場で使われているのであれば、使用する前に素人でも理解しやすい言葉で説明するように心がけましょう。
例えば「傷んでしまってお客様に提供できない食材の部分」を厨房では「ウェイスト」と呼ぶ場合がありますが、これは厨房の経験者では当たり前のことであっても、初めて聞く人にとっては何のことだか分かりません。
技術解説の中でウェイストという言葉を当たり前のように使う前に、その意味を説明しておいた方が伝わるのは当然のこと。
こうした専門用語は、あらかじめ洗い出して用語集のようなものを作っておいても良いかもしれません。
適度なコミュニケーション
解説が終わった後には、不明点がないか確認するよう意識しましょう。
口下手だからといってコミュニケーションを避けるのではなく、少しでも相手に寄り添うことで信頼関係が生まれますし、今後の関係性にもプラスに働きます。
準備をしっかりする
レシピや調理法は、見ただけで調理工程が分かるように、しっかりとメモにまとめて準備しておきます。
もちろん、そのメモを確認して覚えてもらう必要はありますが、技術や手順に関しては、実際の作業を見ることで理解が深まります。
そのため、目の前で実践して教える方法は、やはり効果的です。
動画マニュアルのススメ
目の前で行うのが苦手な人には、動画でマニュアル化しておくのがオススメです。
今は多くの人がスマートフォンで気軽に動画を見ているので、抵抗なく見てもらえるでしょう。
簡単なマニュアル動画であれば、撮影は周囲のスタッフがスマートフォンのカメラ等で撮ればよいですし、編集も簡単に出来るアプリがあります。特別な技術は必要ありません。
動画撮影のポイント
・スクリプトを用意
スクリプトとは台本のこと。解説内容や順番を整理したスクリプトを作成しておくと、スムーズに撮影を進行できます。
・明るく清潔な場所で撮影
撮影する場所はできる限り明るくしましょう。また、調理台はしっかり清掃を。
・テロップを使用する
技術的なポイントは話しながらでも良いですが、編集段階でテロップとして動画内に入れれば、見る側にとってはより見やすく、また理解もしやすくなりますよ。
動画でマニュアル化しておくことによって、今後新しいスタッフが入った際にもそのまま使用できるため、毎回教える手間や時間を省くことができます。口下手な料理人にとっては一石二鳥と言えるのではないでしょうか。
いかがでしょう。口下手が原因でなかなか後進に技術が伝わらない、そんな課題を感じている方は是非ご紹介した方法を試してみてください。