包丁は使い続けていると、だんだん切れが悪くなり、切った食材の見た目や食感、味わいに悪影響が出る可能性があります。
また、料理に余計な時間がかかるだけでなく、怪我をする危険性もあるため、定期的に包丁を研いでメンテナンスしておくことが大切です。
包丁研ぎは、包丁を専門に扱っているお店に持参し、プロにお願いするのが一番安全・安心で確実な方法です。
しかし、つい店舗まで持っていくのを忘れてしまうこともありますよね。また、1回に1000円ほど費用がかかるため、経費もかさみます。
そこで、今回は自分で研ぐ方法や、砥石がなくても出来る応急処置的な研ぎ方などをご紹介します。
砥石で研ぐ方法
砥石は硬い研磨粒子を結合材で固めたもの。様々な種類があり、粒度や素材によって用途が異なりますが、飲食店や家庭では「中砥石」を使用するのが一般的です。
研ぐときは、砥石を20分ほど水に浸して、砥石から出る水泡が収まってきたら取り出し、濡れ布巾を敷いた上に砥石を置きます。
砥石の上に包丁の刃を斜め15度程度に当て、力を入れずに手前に引くという作業を包丁の両面行います。
その後、新聞紙に刃の表面を当て、包丁を横に移動させるという作業を繰り返して完成です。
身近にあるもので応急処置
包丁を研ぐ道具と言えば砥石ですが、どこのお店でも用意しているとは限りません。ここでは、応急処置的ではありますが、キッチンにある代用できるものを紹介します。
陶器製のお茶碗や湯呑
お茶碗や湯飲みなどの陶器製の食器の裏底にある「高台」と呼ばれる出っぱり部分には、仕上げの際に釉薬が付いていないザラザラとした部分があります。
この高台部分をさっと濡らし、陶器が動かないようにしっかりと固定してから、包丁の刃を斜め5~10度に当て、力を入れずに手前に向けて引きます。
これを包丁の両面・数回繰り返し、水で洗い流すと、しっかり切れる包丁になります。
アルミホイル
20~30cmほどの大きさのアルミホイルを三つ折りにし、包丁で細切りにしていきます。
この時、前後にスライドさせるのではなく、手前に引くようにして切るのがポイント。
切り終えたら水で洗い流して終了。
これは、アルミホイルが包丁の小さな刃こぼれや細かい傷に入り込んで、刃がなめらかになる構成刃先と呼ばれる現象が起きることによって、切れ味を復活させることが出来るのだそう。
1店舗に1つは用意しておきたいシャープナー
シャープナーは、手軽に包丁を研ぐことができる道具。
厳密には刃を研ぐのではなく、刃を荒らすことにより一時的に食材への食いつきをよくするという仕組みです。
シャープナーにも、ロール式や交差式、電動シャープナーなど様々な種類がありますが、初心者であればロール式が試しやすいのでオススメです。
使い方は、台に濡らしたタオルを引き、その上にシャープナーを置きます。
包丁をシャープナーに差し込み、手前に向かって10回ほど引き、包丁を洗って完成です。
応急処置的な方法であれば、新人スタッフにも任せることが出来そうです。
しかし、あくまで応急処置なので、やはり、定期的にプロにメンテナンスしてもらうことをオススメします。