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飲食店インタビュー

「日本食を日本人に広めたい」強い想いを持って開店した和食居酒屋が選んだ食肉とは

川崎駅前に立つ、ショッピングとオフィスの複合ビル『ミューザ』。1階には、飲食店が軒を連ねるグルメストリートがあります。
その中でも、他店と一線を画す隠れ家的な佇まいで目を惹くのが「歩く花」様。伝統的な和食を現代的にアレンジした料理をこだわりのお酒と一緒に楽しめるお店です。
開業は2024年12月9日。プレコの飲食店開業応援キャンペーンにもエントリーしてくださっています。
同店を立ち上げたのは、料理長を務める榊様とお酒・接客を担当する佐藤様のお2人。今回、お二人に開業までの経緯やこだわり、目標などをお伺いしました。

※本インタビューは、2025年1月7日に行われました。

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【取材協力】『歩く花』
神奈川県川崎市幸区大宮町1310 ミューザ川崎 1F 135区
現代的にアレンジされた和食とこだわりの日本酒やワインとともに楽しめる和食/鉄板焼きダイニング。高いコストパフォーマンスから、評価の声が集まっている。

素人の考え方を店に活かす

榊様と佐藤様の出会いは約10年前。同じ飲食店で働いていたそうです。関係としては、榊様が上司で、佐藤様が部下。その後、佐藤様は飲食業界から離れたそうですが、榊様は料理の道を歩み続け独立。佐藤様が榊様のお店に食事に訪れた時に意気投合しました。そこで、榊様が佐藤様に飲食店の開業を持ちかけたそうです。

榊様「佐藤を誘ったのは、本人にも伝えていますが、素人だったのが良かったんです。理由は、お客様と同じ感覚の人の意見を取り入れたいと考えていたから。今まで、ビジネス的な考え方で、飲み放題をつけてみたり100円でビールを出してみたりと、そういう経験者とも一緒にお店をやったことはあるのですが、素人だったらどう考えるだろうという思いがあったんです」

佐藤様「年末、コース料理に飲み放題をつけて2,900円で提供していたんです。飲み放題のお酒も価格が高めの種類を揃えて。自分だったら絶対楽しめるのに今日は働く側か……と思いながら働いていました(笑)。ただ、お客様からこの値段でいいの?っていう驚きの声を聞くのは嬉しかったですね」

榊様「料理もそうですけど、慣れてしまうと自分のお店の味で感動しなくなってしまいます。店のスタッフにも感動してもらいたいですし、その感動を素人ならではの表現でお客様に伝えて欲しい。ですので、佐藤には素人であってくれと伝えているんですよ」

インタビューに応えていただいた佐藤様(左)と榊様(右)。『歩く花』として、飲食店開業応援キャンペーンにもエントリーしてくださっています。「山分けの金額は多ければ多いほど嬉しいですが、個人でやってますし4、5万でもいただくことが出来れば嬉しいですね」(佐藤様)

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日本食を味わってもらうために敷居を下げる

『歩く花』をオープンさせた目的は、榊様の「日本人に和食を広めたい」という気持ちから。そのために2人で様々な集客を考えています。その1つがメニュー価格。食材価格が上昇を続けるのに反して、価格を抑えているといいます。

榊様「利益率下げても「こんな金額で?」って驚かれるくらい価格を落とします。飲食業界は、職人さんのこだわりを売っている業界。特に和食なんか高いイメージがあるので、若い方に来てもらえません。和食を知らない若い方にも、楽しんでもらいたいので」

佐藤様「店名は『THE BLUE HEARTS』の曲名からとっていてBGMでも流していますが、理由は同じですね。私たちが好きというより、お客様にワイワイと賑やかに楽しんで欲しいという思いが強いです。あとは、和食で『THE BLUE HEARTS』流しているお店はないので、特色が出るな、と」

毎日のようにメニューを変更

歩く花のメニューは、日替わり週替わりで次々と変わります。これも、お客様がいつ来ても飽きずに楽しめるようにという思いからです。

佐藤「オープンして一カ月程度ですが、6~7回来てくださっているお客様もいて、毎回料理が違うからって言ってくださいます。コース料理はもちろんですが、グランドメニュー自体もどんどん変えていきたいですね。個人でやっているので縛りもありませんし、いい意味で好き勝手にやっていきたいと思っています」

榊「メニューに関しては、今日来ていただいたお客様を見て、明日はこんな感じでいきたいなと考えています。食材に関しては、私自身が食材や食の文化を学ぶために日本全国回った経験があるので、その知識を活かして、この料理だったらこの食材を使うといったように考え、合わせて発注しています。プレコさんから仕入れている食材もありますが、他にも繋がりのある生産者の方から直接取寄せている食材もありますね」

赤城和牛のリブロースを使った「肉じゃが」。赤城和牛は、一般的に出回ることが少ない希少な牛肉だが、榊様の繋がりで産地から直接仕入れている。添えてあるソースは、白みそを使ったベシャメルソース。赤城牛の柔らかな肉質とコクの深さがソースによって、より引き立つ。

 

プレコとの取引の決め手と利点

『歩く花』とプレコフーズの取引のきっかけは、プレコオリジナルブランド『日高四元 神威豚』です。お二人から評価の声をいただきました。

榊「神威豚は前のお店でも使っていたんですよ。それこそ、プレコさんが神威豚を発売して間もない頃からなので、かなり昔からです。この店でも使いたかったので、佐藤に言ってコンタクトを取ってもらいました。とにかく固くならないが良い。脂と肉質のバランスが抜群ですね。良い商品だと思います」

佐藤「三元豚はよく見ますが、四元豚は珍しい。コース料理の一品で出しても、この値段でこの料理が出るの? って言っていただけます。アピールポイントになりますよね。この物件は上にオフィスがあるので、ランチ需要があります。ランチで生姜焼き定食に使っていますが、そういうポイントが夜の営業に繋がると思っています」

榊「お肉のつながりで野菜もプレコさんから仕入れているのですが、規模が大きいので、品質に安心感がありますね。例えば、八百屋から仕入れて実際に切ってみたら使えないということはありますから。他社と比べて全ての商品が安いわけではありませんが、そうしたことも考慮して取引しています」

佐藤「お肉と野菜を1つの会社で扱っているのは、大きな魅力です。私自身は、開業準備をしている時、右も左も分からない状態の中で色々な業者と話をしなければならなくて大変だったのですが、プレコさんは、入口が1つなので2か所も3か所も電話しないでも話が進んだので助かりました」

ランチで提供している生姜焼きには、プレコオリジナルブランドの『日高四元 神威豚』のバラを使用。スプーンで添えられているソースはカルダモンを使った豚味噌。濃厚な味わいの中に爽やかな風味をプラスしている。

 

今後の課題と目標

最後に、お二人に現在の目標を伺いました。

佐藤「年末年始は比較的席が埋まっていたのですが、今後どうやったら安定的にお客様に来ていただけるか。どんな方でも楽しめるように店づくりをしていますが、敷居が高いと思われているような気もしますし、どうやってアプローチすれば知ってもらえるか、考えている所です」

榊「日本人で自分の国の食文化を知らない方って多いと思うんです。インバウンドであれば、それこそインスタグラムなどSNSで日本の文化を発信すれば宣伝効果はあるとは思うのですが、そうではなくて、日本人に日本の食文化を伝えていきたい。まずは川崎から、地域の人達から、そこを僕らは広げたいですね」

榊様は、締めくくりに「何をしでかすか分からない感じでやっていく」という言葉を残してくれました。食材や人件費など、飲食店にかかる経費は高騰を続ける昨今、力強い発言に期待を抱かずにはいられません。

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