現在、国内で流通している鶏肉は「ブロイラー」「銘柄鶏」「地鶏」の3種です。
一方の焼鳥店は多様化が進み、大衆店、専門店はもちろん、デートにも使いやすいオシャレな店や、洋風にアレンジした焼鳥を提供する店などが登場しています。
ここからは、改めて「ブロイラー」「銘柄鶏」「地鶏」3種の定義や特徴を整理するとともに、焼鳥店が3種の鶏肉を選ぶ理由を解説します。
ブロイラー
国内で流通する鶏肉の大半を占めている最も一般的な鶏肉で「若鶏」とも呼ばれます。
飼育方法などに特別な基準がなく、その多くは短期間で大きく育つように品種改良されています。そのため育成期間が短く、生後約45日程度で出荷されることが一般的です。
特徴は、柔らかでジューシーな肉質。
3種の中では最も安価なので、仕入れコストを抑えられるというメリットがあります。輸入鶏なら、冷凍ではありますが国産よりもさらに安価です。そのため、客単価が低い大衆店の多くでブロイラーが使われています。
銘柄鶏
味わいや風味などを高めるために、飼料や飼育期間など、飼育方法に工夫を加えた鶏のこと。
『全国地鶏・銘柄鶏ガイドブック2017』(発行:一般社団法人 日本食鳥協会)では、115種類の銘柄鶏が紹介されています。それぞれ飼育の工夫が違うので、その分だけ特徴の違う鶏肉があると言えます。
味わいの良さはもちろんですが、メニューにブランド名を謳えることも大きなポイントとして挙げられます。価格は、地鶏よりは安価ですが、ブロイラーよりは高価。そのため、こだわり食材を謳う客単価の高いお店や、専門店などがよく使っています。
下記リンク先では、銘柄鶏についてより詳しく解説しているので、ご参照ください。
地鶏
日本農林規格(JAS)により定められている下記の条件を満たす鶏のことを言います。
- 在来種由来(※)の血統が50%以上で、出生の証明が出来ること
- 孵化してから75日間以上、飼育していること
- 孵化後28日以降は1㎡あたり10羽以下の環境で平飼いしていること
『比内地鶏』『名古屋コーチン』『阿波尾鶏』の3種が広く知られていますが、その他にも種類が多々あり、現在は60種類以上が流通しています。ただ、生産数は少なく、その流通量は日本国内に流通する鶏肉のうち、わずか1%ほどにすぎません。
味わいの特徴としては、程よく強い歯応え、深い旨味、高い風味などが挙げられます。希少性が高く、生産コストも高いため、価格も高価。高級店で使われることが多い鶏です。
※在来種とは
明治時代までに国内で成立または導入されて定着した鶏。『地鶏肉の日本農林規格』には、下記38種が掲載されている
・会津地鶏 ・伊勢地鶏 ・岩手地鶏 ・インギー鶏 ・烏骨鶏 ・鶉矮鶏 ・ウタイチャーン ・エーコク ・横斑プリマスロック ・沖縄髯地鶏 ・尾長鶏 ・河内奴鶏 ・雁鶏 ・岐阜地鶏 ・熊本種 ・久連子鶏 ・黒柏鶏 ・コーチン ・声良鶏 ・薩摩鶏 ・佐渡髯地鶏 ・地頭鶏 ・芝鶏 ・軍鶏 ・小国鶏 ・矮鶏 ・東天紅鶏 ・蜀鶏 ・土佐九斤 ・土佐地鶏 ・対馬地鶏 ・名古屋種 ・比内鶏 ・三河種 ・蓑曳矮鶏 ・蓑曳鶏 ・宮地鶏 ・ロードアイランドレッド
下記リンク先では、銘柄鶏についてより詳しく解説しているので、ご参照ください。